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人事部 人事部長
外川久美子様株式会社SOU

企業インタビュー(SOU株式会社) | 障害者アスリートのための求人・就職・雇用支援(株)つなひろワールドスポーツを愛する企業カルチャーが競技生活を後押し!
アスリートとともにさらなる躍進をめざす
ブランド品・古美術品などの買取事業や古物業者向けのブランドオークション事業というCtoBtoBのビジネスモデルで急成長を遂げ、業界内外から高い注目を集めている株式会社SOU。Jリーグのガンバ大阪でプレーしていた代表取締役の嵜本晋輔氏をはじめ、スポーツ好きの社員が集まっていることもあり、障害者アスリートの採用に踏み切った。現在は、東京大会からパラリンピック競技になるパラバドミントンの選手2名を雇用。デフサッカー(ろう者サッカー)選手も2016年9月に採用しました。2020年を見据えた同社の成長戦略と選手の活躍を重ね、大きな期待をしていると語る人事部長の外川久美子さんに話を聞いた。

Qつなひろワールドにコンタクトを取ったきっかけは何ですか?

会社設立後、当社はおかげさまで急成長しておりまして、障害者の社員の採用が追いついていない状態だったんです。障害者雇用率の達成をめざして、いくつかのエージェントさんとコンタクトを取るなど、あれこれ模索していたのですが、障害にはいろいろな種類や程度がありますので、どんな方なら一緒に仕事をしていけるか、また、サポートが必要な場合にどの程度寄り添えるか、何しろ当社としても初めての経験ですので、いまいち見極めがつきませんでした。
そんなとき、日本経済新聞でつなひろワールドさんの記事を目にしました。実は当社には、元Jリーガーの代表取締役をはじめ、スポーツに打ち込んできた社員がたくさんいます。そのためか、社員が休日に集まってはフットサルやスノーボードなどに興じるなど、日ごろからスポーツを楽しむカルチャーもあり、採用担当者も、新聞記事で障害者アスリート雇用という言葉を見て、ピンと来たということもあります。そこで早速、代表取締役に提案したところ、大変興味を抱いたため、コンタクトを取らせていただいたというわけです。

Q障害者アスリートを採用する決め手は何だったのでしょうか。

スポーツ好きが集まっている会社ですから、社員が一丸となって応援できるトップアスリートが社内にいるというのは、楽しく、応援がより社内を一体化させることにもつながると思います。もちろん、選手を通して企業PRもしたいと考えておりますので、2020年に向けて第一線で活躍が期待できるという点も重視しました。

Q2020年の新競技として決まったスポーツからの雇用でしたね。

パラバドミントンの島田緑ですね。島田は車いすバドミントンの第一人者で、2020年も出場の可能性が高いとご紹介いただきました。面談したところ、トレーニングや国内外の大会への参加するため、出社できるのは月に1回程度とのことでした。こちらとしても、日本選手権など大きな大会で活躍してくれれば、それだけ企業PRができるわけですから、異存はありません。今は競技生活に専念してもらい、それを全力でサポートしようと採用を決めました。早々に企業ロゴが入ったユニフォームも用意したんですよ。島田の活動拠点が奈良にありますので、現在は月に1度、大阪オフィスに出社してもらい、試合結果やスケジュールについて報告してもらっています。

Q島田選手の第一印象はいかがでしたか?

謙虚な方だなと思いました。しかも、立ち居振る舞いに、人柄の良さがにじみ出ていますしね。当社の社員は若手が多く、彼らに比べると島田は年上ということになるのですが、誰に対しても丁寧で、積極的にコミュニケーションを図ってくれるので、話しかけやすいんです。それによく笑うので、自然とこちらの気持ちも明るくなります。

Q競技は観に行きましたか?

2015年10月に入社した直後に、福岡県久留米市で行われる大会に出場するというので、同僚6名と一緒に応援にかけつけました。どんな競技なのかまずは見ておきたいということと、何より仲間になったわけですから、やはり応援したいですよね。その際、せっかくだからと、彼女の名前にちなんだ緑色のマフラータオルに「島田緑」と大きく名前を入れた応援グッズを作って持参したところ、島田の周りの方に好評で、「分けてほしい」と声をかけられました。もちろん、喜んでお譲りしましたよ(笑)。

Qパラバドミントンを観戦していかがでしたか?

車いすのバドミントンを初めて観戦したのですが、すごくハードなスポーツですね!事前に島田から「コースの読み合いが勝負」と教えてもらっていたのですが、そもそも車いすを操作しながら、バドミントンをするだけでもかなり難しいですよね。島田は選手の中でも障害の程度が重いようで、他の選手に比べると移動距離が少ない方だったと思いますが、それでもあの小さなコートの中で激しく動いていて驚きましたし、会社では見られないアスリートとしての一面も垣間見えて興味深かったです。残念ながら、その大会では思うような結果を残せなかったのですが、試合終了後、「おつかれさまでした!」と声をかけに行ったら、「せっかく応援に来てくれたのに結果を出せずにすみません」って言ったんです。さすがトップアスリートだけに、結果にもしっかりとこだわっているんだなと感じました。

Qほかにも障害者アスリートを採用していますよね。

はい。やはり障害者バドミントンの選手で、島田の仲間でもある大江守が、島田から話を聞いて当社に応募してくれまして、2016年6月に採用しました。また、デフサッカー男子日本代表候補の選手も入社しました。デフサッカーは選手が聴覚障害者というだけで、健常者サッカー同様、競技性も非常に高いのが魅力ですね。2017年には、4年に1度開かれる聴覚障害者のための国際競技大会「デフリンピック」が行われるとのことで、そこで当社社員が活躍するのを私たちも今から楽しみにしています。
ほかにも、健常者と同じ仕事を担当する即戦力として、下肢障害者も一人採用していまして、必ずしも障害者雇用をアスリートに限定しているわけではありません。障害者は現在、計4名在籍していることになりますが、やはり島田の採用がきっかけで弾みがつきましたね。

Q障害者を採用するにあたり、ハード面での不安はありませんでしたか。

当社は東京と大阪にオフィスがあるのですが、特に大阪オフィスはJR大阪駅に直結するなど、立地に非常に恵まれています。もちろんどちらのビルにも地下に駐車場がありますし、オフィス内も広々としていますので、車いすでの移動も苦労はないかと思います。食事もビル内で済ませられますし、両オフィスには休憩スペースや仮眠室もあるなど、だれにとっても働きやすいオフィス環境で、ハード面での不安はありませんでした。これは当社の自慢のひとつですね。

Q障害者アスリートの競技引退後については、どのようにお考えですか。

島田は入社して1年、大江が半年。社員用のポータルサイトで写真付きで活動報告をしたりすることで、徐々に社内での認知度が上がってきて、「今度の大会は応援に行くよ」なんて声をかけてくる社員が増えてきたところです。今後、アスリートたちをどのように事業や広報活動に活かしていくか、その話し合いも始まったばかりですが、彼らにはずっと当社で活躍してほしいと考えています。そのためにも、入社の際に、当社で何をしたいか、何ができるかといったことは話し合いましたし、引退後についても、本人の希望を活かしながら当社で思いっきり働いてほしいと考えています。ただ、障害者アスリートは長く現役として活躍されている方も多いようですから、当社のアスリートたちにも、末永くがんばって、しっかり当社をPRしていただければ、という気持ちもあります。

Q障害者アスリートたちに何を期待しますか?

当社は現在、全社一丸となって上場をめざしてがんばっています。当社の成長を体現する存在として、アスリートたちもどんどん活躍していただき、東京パラリンピックで大きく羽ばたいてほしいですね。

(2016.8)

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