代表挨拶
障害者スポーツの熱狂を、次世代につなげたい
2012年の夏、ロンドンパラリンピックの会場で浴びた圧倒的な熱気と歓声――。障害のあるなしに関係なく、スポーツがもたらす感動に心から魅了された私は、「世界を目指す選手を純粋に応援したい」という想いを新たにしました。
当時、障害者スポーツ界では一流のアスリートであっても企業からの支援を受けられるのはごくわずか。多くの選手が練習時間を確保するために正規の勤務時間が取りにくく、給与や遠征費用を十分に得られないという厳しい現実がありました。こうした環境下でも世界を目指す選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、雇用を通じてサポートしていきたい。これが当社の原点です。
日本の障害者雇用状況は、CSR(企業の社会的責任)への関心の高まりや行政の指導・支援拡充などを背景に、年々改善の傾向が見られます。厚生労働省の「障害者雇用状況の集計結果」によれば、2024年時点で法定雇用率を達成している企業の割合は約46%にとどまり、50%にはまだ届いていないものの、少しずつ前進しているのも事実です。しかしながら、依然として障害者の雇用に慎重な企業も少なくありません。
そこで私たちは、障害者アスリートがより柔軟に働ける環境を提供し、企業にとってもメリットを生み出す雇用形態を提案することで、両者をつなぐ橋渡し役を担っています。お互いのニーズに寄り添い、アスリートと企業が最適な形で結びつくことが、私たちの目指す理想の姿です。
2024年のパリパラリンピックを経て、障害者スポーツへの関心は着実に高まり続けています。この熱意を一過性のブームで終わらせることなく、次世代へとつないでいくために、当社は「Athlete First」を掲げ、障害者アスリートの雇用創出と環境整備に全力を注いでまいります。
障害者スポーツの未来を支えるために、これからも企業や社会の皆様と手を携えながら、新たな可能性の扉を開いていきたい――その決意を胸に、私たちは挑戦を続けてまいります。