日本初の民間衛星放送事業者として開局以来、映画やスポーツ、ドラマ、音楽などのエンターテインメントを有料放送でお茶の間に届けている株式会社WOWOW。法定雇用率の上昇を受けて障害者雇用に取り組む中、多数のスポーツ番組を放送していることから障害者アスリート雇用に着目。実際に採用したことで、社内にいい変化が生まれており、手応えを感じているという。今後も障害者アスリート雇用を前向きに検討したいと語る人事総務局人事部長奥野俊彦氏に伺った。
Q 豊島選手を採用するにあたり、期待したことはありますか。
対外的には、もっと多くの方にパラスポーツやパラアスリートを知っていただくきっかけになればいいなと考えています。とはいえ、単なる広告塔ということではありません。仕事面でも大いに期待しての採用です。アスリートは当然、いつか引退します。選手として第一線で活躍してきた人は、普通のプロデューサーとは異なる目線を持っていますよね。その経験を活かして、引退後は番組を企画するのもいいですし、スポーツ解説をするのもいいと思います。もちろん、本人が希望すれば、スポーツ以外のことを担当していただくことも可能です。私たちとしては、そのための環境づくりをすることも考慮に入れて採用しましたし、豊島さんには引退後も当社で活躍してほしいと願っています。
Q リオパラリンピックでは豊島選手も活躍されました。社内で応援されましたか。
当社では世界でも一流と言われるスポーツ大会を多数中継していますが、それはあくまで放送しているだけ。実際に同僚がそうした大会、しかもパラリンピックという世界最高峰のスポーツイベントに出場するというのはなかなかない経験ですから、もう大盛り上がりでした(笑)。壮行会を開いた際には、こちらの予想以上の人数が集まりました。豊島さんには日本代表のジャージを着てきてもらったのですが、その姿にも社員たちは感動したようで、「(サイン)ください」って次々とお願いしていましたね(笑)。オリジナルのタオルも作り、そこにみんなで応援メッセージを書いて豊島さんに渡し、リオに持って行ってもらいました。大会開催中は、IPC(国際パラリンピック委員会)との共同プロジェクトとして制作しているドキュメンタリー番組『WHO I AM』の制作チームが総勢13名、現地入りしました。4チームに分かれて密着取材をしていたのですが、その合い間を縫って豊島さんの応援にも駆けつけていたそうです。